同時に処方されることも多いステロイド外用剤と保湿剤。どっちを先に塗ればいいのか分からないという方もいると思います。どちらがいいのか、またその理由をお伝えします!
※主治医や薬を受け取った薬剤師の指示を優先してください。特に指定がなかった場合、どちらでも良いと言われて迷っている場合などに参考にしてください。
特に何も言われなかったけど
どっちの方がいいんだろう?
✔️この記事を書いた人
保湿剤の使用目的
「保湿剤」はその名の通り保湿をするために塗りますが、実は大きく分けて2種類あります。それが「ヘパリン類似物質」と「ワセリン」です。
ヘパリン類似物質は角質に水分を与えることで、ワセリンは皮膚を覆って水分が蒸散されるのを防ぐことで、保湿をしています。
特に大きな副作用もなく、1日の中でこまめに何回も塗って大丈夫です。
ステロイド外用剤の使用目的
虫刺されやアトピーなどに使われるイメージのあるステロイド外用剤ですが、赤くなるなど炎症をしている部分に塗る炎症止めです。
ステロイドには5段階の強さがあり、処方される時には使う場所と回数が決められています。とにかくこの指示をきちんと守ってください。
基本的には1日2回ちゃんと塗ることで効果がでます。1回だけだと効果が半分以下になるという研究や、1日に3回以上塗っても効果は強くならなかったという研究があります。
またどれくらい塗ればいいか分からない方へ、人差し指の第一関節にチューブから出した量で、だいたい手のひら2枚分が塗れると言われています。擦り込むように塗るのではなくて、表面がテカテカしてティッシュがくっつくくらい塗ってください。
「ステロイド」と聞くだけで副作用が怖いんでしょ?と嫌悪感を抱く方がいらっしゃいます。しかしテレビで言われていたような副作用が出るのはステロイドの「飲み薬」です。
保湿剤を先に塗る場合
先に保湿剤で肌をバリアすることで、しわができる、毛が生える、炎症などのステロイド外用剤の主な副作用が起こりにくくなる可能性があります。
またステロイド外用剤は必要な部分にだけ塗るのが基本のため、スキンケアの最後に塗ることで余計なところに塗り広げなくて済みます。
ステロイド外用剤を先に塗る場合
清潔にした皮膚に直接ステロイド外用剤を塗ることで、より高い効果が期待されています。
しかしその後に塗る保湿剤で、ステロイド外用剤を塗り広げてしまうことになるため、本来塗らなくて良い部分にも塗ってしまいます。
総合的に判断すると
まずは医師の指示に従うことが第一です。その上で「塗り方を聞き忘れてしまった」「どうしてこの順番で指示されたのか知りたい」といった方は参考にしてみてください♪
初めてステロイド外用剤を使用する、より強いステロイド外用剤に変更になったなどで副作用により注意が必要な方や、ステロイド外用剤を塗る範囲がせまい方は保湿剤を先に塗るのがおすすめです。
反対にいつもステロイド外用剤を使い慣れている、ステロイド外用剤を塗るのが広範囲といった方は、ステロイド外用剤を先に塗ってもいいかもしれませんね。
何度も申し上げますが、処方してくれた医師や薬剤師によく相談して治療をすすめていきましょう!
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